組合長挨拶

 

組合長挨拶

「コロナ禍での経過と現状」

代表理事組合長 戸髙壽生

佐伯広域森林組合 本所

 

  合併発足以来30年の節目の年を迎え、これまでの軌跡を振り返り今後のさらなる発展を期して小宴ながらも「佐伯広域森林組合創立30周年記念式典」を開催したのが、昨年の2月でありました。これを境に新型コロナウィルス感染症が拡散され、国内における第一波へと突入いたしました。

 全く予期せぬ展開の中で、当然当組合にとっても感染防止対策の徹底とともに、抱える多くの事業への影響が懸念されました。立木買取り生産が主体の林産事業における丸太の暴落による採算性の危惧のみならず、伐採が滞れば次年度の再造林事業が減少し、担い手である作業班への発注不足や苗木の取扱量、シカ防護柵等の購買事業の停滞へとつながり、地域林業と当組合にとって計り知れない低迷への懸念となりました。一方、加工事業においても住宅着工の落ち込みにより、工場では稼働時間を減らし減産せざるを得ない実情があり、事業全体において散々な状況に追い込まれました。コロナ禍以降、第4四半期(4月~6月)の業績は大きく悪化したものの、幸いにも年度当初から第3四半期(3月末)までの好調さに支えられ、令和元年度決算ではまずまずの実績を収めることができましたが、コロナ禍での厳しさは変わることなく、先行きの見えない苦境の中で今年度に突入いたしました。

 新年度に入ったばかりの7月初旬、当佐伯地域は幸いにも免れたものの、九州全域における未曽有の豪雨災害に見舞われたのは既にご承知の通りであります。林業においては林地崩壊や路網寸断など甚大な災害を被り、木材の伐出に大きな支障をきたした結果、丸太の不足から価格が上昇し始め、暴落以前の価格に戻ってまいりました。一方、製材品においても秋以降は住宅着工も好調に推移し、木材の需要量・価格とも順調に回復してきております。その裏には、外材輸入量の激減と値上げ、加えて国産材の輸出事情の好転にあります。まず、米国ではコロナ禍で都心部のマンションから郊外の戸建て住宅への住み替えによる旺盛な住宅需要における木材不足、米中の貿易摩擦による日本材製品の米国輸出、中豪の対立による中国側の豪州からの丸太輸入停止、加えて中国向けロシア産丸太の激減が見込まれ、日本産丸太の需要は今後さらに期待が持たれます。また、欧州材についても昨年後半より輸入量が2割減となっており、加えて輸送コストの大幅アップやコンテナ不足もあり、国産材バブルの時代に突入していることは紛れもない事実であります。ただし、コロナが発症して1年数カ月と短期間のうちに世界の木材事情は大きく様変わりし、地球規模では環境問題や国内での少子高齢化といった大きな課題を抱えた中で、先行きが全く予測できないのが昨今の情勢であります。

 「佐伯型循環林業』の提唱から10年、定着してきた「伐採・加工流通・再造林」の3つの軸が順調に回転していくよう、黙々と努力することが地域林業と当組合の発展につながるものと信じ、今後もさらに邁進する所存であります。